【創業融資支援】起業・開業時の融資(資金調達)相談におすすめのサポート会社をランキング形式でご紹介します!

創業融資は個人事業主でも受けられる?

公開日:2021/03/15  最終更新日:2021/05/07


新たに事業を始めたり独立・分社する際に自己資金が不足するような場合は、日本政策金融公庫や各都道府県・市区町村の創業融資制度などを活用することができます。両方とも低利で融資を受けることができますが、いくつかの条件が定められています。これはあまり知られていないことですが、法人化していない個人事業主も創業融資を利用することが可能です。

個人事業主と法人事業主の違いとは

新たにビジネスをスタートする方法として、法人化していない個人事業主と、新たな会社を設立する法人事業主の2種類があります。法人事業主とは、一定の出資をして会社を設立して法務局に登記手続きをしてから営利活動を行う事業主のことを指します。

これに対して個人事業主というのは、会社を設立したり出資をしないでビジネスをして利益を得るという事業です。会社を設立していなくても、税務署に「開業届」を提出することにより独立した事業主として認められます。ただし開業した後に活動をやめて廃業をする場合にも、税務署に廃業の届出を提出することが求められます。

「開業届」や「青色申告承認申請書」を税務署に提出すると税金の面で有利になるだけでなく、会社を設立していなくても法律上は独立した事業主になることができるというメリットがあります。法人化していなくても「開業届」を提出した時点で独立(創業)して事業を営んでいるとみなされることから「創業融資」を活用して低利かつ保証人なしで開業資金を調達することが可能です。

法人化していない事業主でも利用可能な創業融資とは

新たに独立・起業する場合には、会社(法人)を設立することで社会的な信用を得ることができるというメリットがあります。会社を設立すると法的な束縛を受けますが、会社名義の預金口座を開設したり金融会社からの融資を受けやすくなります。

これに対して個人事業主は手軽に開業ができるという利点があるものの、銀行やノンバンクの融資が受けにくいというデメリットがあります。法人化していないと社会的な信用が低いですが、一部の金融機関の「創業融資」を利用することは可能です。個人事業主が創業融資で融資が受けられる方法には、日本政策金融公庫・制度融資(保証協会付融資)・信用金庫の3種類が考えられます。

ちなみに制度融資というのは、地方自治体・民間金融機関(銀行)・信用保証協会の3者が連携した制度です。民間金融機関(銀行)が資金を出しますが、もしも事業が失敗して不良債権になってしまった場合は信用保証協会が残債を肩代わりします。これに加えて地方自治体が利息の一部を負担することで、低利での融資が可能になります。

個人事業主におすすめの創業融資とは

法人化せずに「開業届」を提出して起業した個人事業主であれば、日本政策金融公庫の創業融資がおすすめです。日本政策金融公庫がおすすめの理由ですが、無担保で保証人なしでも融資が受けられる・他の方法よりも借り入れまでに要する時間が短い・融資限度額が高めに設定されている、の3点が挙げられます。

日本政策金融公庫から借入をする方法はいくつかありますが、無担保で保証人なしでも融資が受けられる制度が用意されています。土地や家屋などを担保に入れる必要がないので、借家に住んでいる方でも新たに事業を開始することが可能です。ただし、担保を設定したり保証人を付けることで利率を下げるという方法もあります。

日本政策金融公庫の創業融資を利用する場合は、申し込みをしてから実際に借り入れができるようになるまでに1ヶ月~1ヶ月半くらいの期間がかかります。他の方法で借り入れをする場合は最短でも2ヶ月以上かかってしまうので、1日でも早く事業を始めたい方におすすめです。融資可能な限度額についても、日本政策金融公庫は3千万円と高めに設定されているというメリットがあります。

日本政策金融公庫の創業融資を利用するための条件とは

個人事業主の方には日本政策金融公庫の創業融資がおすすめですが、借り入れをするためにはいくつかの条件をクリアしている必要があります。創業融資を受けるために満たすべき条件というのは、自己資金の用意・創業する分野での1年半かそれ以上の実績・個人の信用情報がホワイトである・説得力のある創業計画書の提出・公共料金や税金の滞納がないこと、の5点です。

個人事業主の場合は出資金が不要であるというメリットがありますが、営利活動を行うために必要な資金の一部を自分で負担していることが求められます。1年半かそれ以上の期間にわたり事業を継続して利益を得ている必要があるため、経験のない分野で新たな事業を開始する場合は融資を受けることができません。

融資の申し込みをすると個人の信用情報が照会されるので、クレジットカードやカードローンなどの返済で滞納をしたり法的な債務整理の経験がある方は、審査に通過できない可能性があります。個人事業主の場合でも、法人と同じように説得力のある事業計画書を作成・提出することが求められます。申込者本人が公共料金や税金の滞納などがあると、審査の際に不利に働く恐れがあるので注意しましょう。

制度融資(保証協会付融資)のメリット・デメリットとは

個人事業主が利用できる創業融資には、日本政策金融公庫以外に制度融資(保証協会付融資)もあります。制度融資のメリットは、日本政策金融公庫と比較して審査に通過するためのハードルが低い・低金利である・据置期間が長めに設定されている、の3点が挙げられます。事業に失敗した場合でも返済を信用保証協会が肩代わりしてくれるので、審査のハードルが低めに設定されています。

自治体にもよりますが、制度融資の金利は年率1~3%とかなり低く抑えられています。制度融資は融資を受けてから返済が始まるまでの据置期間が長めに設定されているので、事業が安定して利益を得ることができるようになってから返済を開始することができます。 制度融資を利用する際のデメリットは、代表者保証が必須である・保証料の支払いがある、の2点です。

経営者本人が保証人になる必要があるので、事業が失敗して債務の返済ができなくなったような場合は経営者が個人資産を失う恐れがあります。これに加えて信用保証協会のサービスを利用する必要があるので、利息とは別に保証料を負担しなければなりません。ちなみに保証料の金額は、融資額や保証(借入)期間によって変動します。

信用金庫の創業融資(ローン)を利用する方法とは

有利な条件で開業資金を調達する方法として日本政策金融公庫や制度融資がありますが、これら以外にも民間の金融機関である信用金庫のローン商品を活用することも可能です。信用金庫は中小・零細企業向けに事業資金の貸し付けを行っていますが、一定の条件をクリアすれば個人事業主でも融資が受けられるローン商品が用意されているケースがあります。

信用金庫の創業融資は、会社ごとに借り入れができる上限や条件などが異なっているという特徴があります。貸し付けの条件には、自己資金を用意していること・事業を開始してから一定の期間にわたり実績があること・税務申告をしていること、などが定められていることが多いようです。これら以外にも担保・保証人の有無や、金融機関が提供する他のサービスの利用状況、といった点も審査されるケースがあります。

信用金庫の創業融資をお考えの方は、金融機関ごとに細かく規定されている借り入れ条件を確認することが大切です。中にはかなり有利な条件で借り入れができるケースもあるので、事業資金の調達をお考えの方は地元の信用金庫の創業融資もチェックしておくと良いでしょう。

 

法人を設立していない個人事業主であったとしても、一定の実績や自己資金を用意することで金融機関の創業融資が利用できる場合があります。法人化を目指して事業拡大を計画している個人事業主の経営者の方は、日本政策金融公庫・制度融資(保証協会付融資)・信用金庫の創業ローンなどを検討してみることをおすすめします。

おすすめ関連記事

サイト内検索
創業融資コラム