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創業融資を受けられない・受けにくい業種はある?

公開日:2022/02/15  最終更新日:2022/02/25


基本的にほとんどの業種が受けられる創業融資ですが、融資を受けられない業種または受けにくい業種があることはご存知でしょうか。「融資は検討していないから自分には関係ない」ではなく、万一の際にご自身の会社が融資を受けられるかは把握しておかなければなりません。この記事では創業融資を受けられない業種などについて解説します。

創業融資の対象になっていない業種とは

日本政策金融公庫や信用保証協会を利用して融資や保証を受ける場合には一定の条件があり、それを満たす方のみが対象になります。

・新創業融資制度の場合
「新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期終えていない方で、税務申告をしていない場合には創業費用の1/10以上の自己資金のある方」

・新規開業資金の場合
「新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方」

・女性、若者/シニア起業家支援資金の場合
「女性または35歳未満~55歳以上の方であって、新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方」

とそれぞれに個別に条件が定められています。

この条件を満たせば必ず融資や保証を受けられるわけではなく、「融資非対象業種」「保証対象外業種」「内容により融資・保証が受けられない事業」に該当する業種は条件を満たしていても、政策または倫理的理由からすべての融資・保証が受けられません。どのような事業がこれらの業種当てはまるのか、詳しく見ていきましょう。

融資対象外業種の例

通常の中小企業であれば、ほとんどが日本政策金融公庫から融資を受けることができますが、政策的な理由から一部の業種については融資を受けることができません。

対象を見てみると、「金融・保険業のうち銀行業、協同組織金融業、貸金業、クレジットカード業、補助的金融業、金融商品取引業、損害保険業」「ソープランド業」「娯楽業のうち競輪・競馬など、パチンコホール、場外馬券売場、場外車券売場」「その他の事業サービス業関係では取立業、公共料金を除く集金業」「社会保険・社会福祉・介護事業関連では社会保険事業団体、福祉事務所、更正保護事業」「政治、経済、文化団体」「郵政局・郵便業」の7業種で、この中でも多いのが「金融業」と「パチンコ業」です。

保証対象外業種の例

通常の中小企業は日本政策金融公庫の場合と同様に、信用保証協会から保証を受けることができますが、一部の業種については保証を受けることができません。

対象を見てみると、「農林水産業、狩猟、漁業(一部の業種を除く)」「金融、保険業(生命・損害保険代理業等を除く)」「風俗関連の事業(一部のものを除く)」「アダルト関連のネットサービス」「ソープランド」「風俗関連の娯楽業」「モーテル、ラブホテル」「性風俗のインターネット配信業」「パチンコ、スロット、射的、競輪、競馬業、ビンゴゲーム」「芸妓業(置き屋、見番を除く)」「易断、観相業」「相場案内業」「興信所業」「集金業・取立業」「学校法人が経営する学校」「宗教・政治・経済・文化団体その他の非営利事業及び団体」「LLP(有限責任事業組合)」の16業種になり、信用保証協会の方が日本政策金融公庫よりも対象外とされる業種の範囲が広くなっています。そのため、スナックなどは日本政策金融公庫では融資を受けることができても、信用保証協会では保証が受けられないところがほとんどです。

内容によって融資・保証が受けられない事業

業種による規制をクリアしていたとしても、事業内容によっては問題があるとして融資や保証を受けられない場合があるので対象を見ていきましょう。

まず、日本政策金融公庫から融資を受けられない事業として、高級スナックやクラブのように一般的なものよりも高額な料金の設定をしている「奢侈遊興にわたるもので料金が大衆的でないもの」、風俗営業法に抵触スレスレのグレーな事業に該当する「公序良俗に反するなど社会的に批判を受けるおそれのあるもの」、1回から数回ほどで完了してしまう事業のような「一時的または投機的なもの」、利益を目的としていないため利益から返済を受ける融資の対象とならない「単に社会福祉または慈善等を目的とするもの」の4つの事業が対象になります。

次に信用保証協会から保証を受けられない事業として、「信用保証協会から「代位弁済」をされ、同協会に対し弁済すべき債務が残っている場合」「信用保証協会に対して、保証人としての保証債務を負っている場合」「銀行取引停止処分を受けている場合」「破産、民事再生、会社更生法等の手続き中の場合または、私的整理手続き中である場合」「最後の登記から12年以上を経過した株式会社で、休眠会社としてみなし解散登記されている場合」「信用保証協会の保証付融資または金融機関の融資について延滞がある場合」「確定申告をしていない場合」、その他として、「粉飾決算や融通手形を行っている」「税金を滞納し、完済の見通しがない」「事業実態や資金使途、返済能力などを判断するための資料がない」などの場合は保証を受けることができません。

基本的にはほとんどの中小企業が利用できる

創業融資は上の項目で解説した一部の事業を除き、基本的にほとんどの中小企業が利用できます。資本金や出資金としてではなく、事業資金であれば運転資金や設備投資など幅広く利用できるという原理原則はあわせて覚えておきましょう。自治体から創業融資を受ける場合、自治体毎に若干ニュアンスが異なるようです。融資を申請する際に自治体の信用保証協会に必ず確認しましょう。多くの自治体では風俗関連業、金融業、宗教法人などが利用できない業種として挙げられるようです。

金融業や遊興娯楽業の業種は原則として「公的創業融資制度を利用できない」とされます。登記簿謄本にこれらの業種または関連しそうな業種について記載されているだけでも融資の対象から外される可能性があるので注意しましょう。登記簿謄本の「目的」欄に実際には手掛けないであろう事業を含め、やたらと多くの事業を羅列する起業家もいますが、融資を希望するのであれば、融資対象外業種が入っていないか気をつけなければなりません。

会社の実態がわかりにくいと受けにくい

融資対象外業種でないにもかかわらず、融資が受けられなかったという事例があります。当該業種はIT関連で、明確に対象外とされる業種ではありませんでしたが、結果として融資されませんでした。創業融資は国の予算を使って開業支援をしている制度のため業種によって不公平な取り扱いはできないようになっていますが、会社の実態や業務内容がわかりにくいと融資を断られる可能性があるようです。

基本的には、資金使途と返済財源をきちんと説明できれば、創業融資はどんな業種でも借りることができます。そのため、資金の流れやビジネスの流れについて理解してもらうために、莫大な時間をかけて創業計画書や資金繰り表を作成するのです。融資の審査担当者がすべての業種に精通しているわけではなく、向き不向きがあります。

IT関連のように説明をしても審査担当者が理解しにくい業種であれば、資金使途や返済財源に不安を抱くでしょう。あやふやな状態で確信を持てないものに対して絶対に融資はされません。審査担当者を納得させるためには、前提としてそのビジネスの基本について理解を得る努力が必要なのです。さまざまな資料を作成して理解を得られるように努力しましょう。

まとめ

基本的にほとんどの中小企業が受けられる創業融資ですが、融資を受けられない業種や内容によって対象外になる事業があることを解説しました。記事で紹介した事業や業務内容に該当するとすべての融資や保証を受けることができません。現段階で融資を検討していなくても万一のことを想定して、ご自身の業種や業務を確認しておくことをおすすめします。

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