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創業融資を複数の銀行に同時に申し込むことはできる?

公開日:2021/11/15  最終更新日:2021/09/03


創業融資を検討する際に「銀行に融資を申し込んで断られたらどうしよう」「借りられなかったら別のところを探さなきゃ」と不安に思うことがあるのではないでしょうか。この記事では創業融資を受けるにあたって「融資を複数の銀行に同時に申し込んで問題ないのか」といった疑問について詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

創業融資を複数の銀行に同時に申し込むことは可能

創業融資の審査にはそれなりに時間がかかり、日本政策金融公庫の場合では3〜4週間程度、制度融資の場合でも1か月〜1か月半程度の時間を必要とします。起業家にとって自己資金で開業するのが理想ですが、多くの場合はそれが難しく、創業融資は不可欠の資金だといえるでしょう。一般的に、ある銀行に創業融資を申し込んで否決されると、他の銀行に再び創業融資の申し込みをすることとなります。

しかし、この方法では銀行から創業融資を受けられることになったとしても、資金調達までの期間が長くなり、当初の創業融資申込みから2か月〜3か月程度かかってしまうこともあるでしょう。数撃ちゃ当たるというわけではありませんが、あらかじめ否決となることを想定して、リスクヘッジのために複数の銀行に創業融資を受けたいと考えることは自然であるといえます。この複数の銀行に同時に創業融資を申し込む行為は禁止されていません。

複数申し込む場合は日本政策金融公庫+民間銀行

上で解説したように複数の銀行に創業融資の申し込みをすること自体にはまったく問題はありませんが、複数の民間銀行に同時に創業融資の申し込みをしても、あまり意味がありません。民間銀行にとって創業融資は、新規顧客獲得につながるため積極的に取り組みたい融資ではありますが、借主の倒産などで貸倒れが発生する可能性があるリスクの大きい融資でもあります。

このことから、民間銀行に創業融資の申し込みをすると融資の審査をしてはもらえますが、信用保証協会付融資(制度融資または通常の信用保証協会付融資)の利用を勧められることが一般的です。信用保証協会の保証を受けられれば民間銀行の創業融資は可決され、信用保証協会の保証が受けられなければ民間銀行の創業融資は否決となります。どの民間銀行に創業融資を申し込んでも、保証審査を行うのは同じ信用保証協会なので、申し込む銀行によって保証審査の結果は変わるということはありません。

このような事情から、ある民間銀行で創業融資が否決される(≒信用保証協会の保証が受けられない)ことになれば、他の民間銀行に申し込んでも信用保証協会の保証が受けられないので、創業融資は否決されるのが通常です。否決されるリスクを減らすために複数の民間銀行に創業融資の申し込みをしても、あまり意味がないといわれる理由はここにあります。したがって、創業融資を複数の銀行に申し込む場合には、申込先は信用保証協会の保証審査がない日本政策金融公庫と民間銀行に申し込むのが一般的です。

両方審査に通過したら

日本政策金融公庫と民間銀行に同時に創業融資の申し込みをすると、どちらか必ず審査を通過するということではありませんが、どちらの創業融資審査も通過してしまう場合があります。この場合は「どちらからも創業融資を受ける」か「事情を説明してどちらか一方を断る」のどちらかを選択しなければなりません。創業する際の事業資金は多ければ多いほど円滑に事業を進められ、会社の生存率は飛躍的に上がります。

また、どの銀行も人件費やコストを投じて創業融資審査を行ってくれたことも理解しておきましょう。融資目的で申し込むだけ申し込み、不要になったからといって断るというのは、銀行としても面白くないのは当然で、避けて欲しい事柄であります。審査通過後の銀行から融資を断ると最悪の場合、今後なんらかの理由でその銀行に融資を申し込んでも審査を通過できずに融資を受けることが困難になってしまう可能性があります。

このため、日本政策金融公庫の創業融資と民間銀行の創業融資のどちらの審査も通過した場合はどちらかを断るのではなく、両方から創業融資を受けることが原則です。ただしあくまでも原則なので、やむを得ずどちらか一方から創業融資を受ける場合は、次に紹介するそれぞれのメリットを考慮して日本政策金融公庫または民間銀行のどちらで創業融資を受けるかを決めるようにしましょう。

日本政策金融公庫から創業融資を受けるメリット

日本政策金融公庫の創業融資には「無担保・無保証人で利用できる」「信用保証協会の枠を残せる」という2つのメリットがあります。民間銀行で創業融資を受ける場合には、代表者が会社の連帯保証人にならなければなりません。代表者が連帯保証人となった状態で融資を受けて会社が返済不能に陥ってしまうと、連帯保証人である代表者が会社に変わって返済を続けなければなりません。

しかし、日本政策金融公庫の新創業融資制度は、代表者が会社の連帯保証人となる必要がなく、無担保・無保証人で利用できます。会社が返済不能に陥っても、会社に代わって代表者が融資の返済を続ける必要がないのです。これは日本政策金融公庫の創業融資の最大のメリットといえるでしょう。

また、日本政策金融公庫は信用保証協会の審査を必要としないので、いざという時のために信用保証協会の保証枠を温存できるというメリットがあります。信用保証協会は、会社ごとに信用保証額の上限を設けて、この信用保証額の範囲内で信用保証を行います。

言い換えれば、この枠いっぱいに信用保証を受けている会社は、資金調達の切り札ともいえる信用保証協会付融資を受けることができなくなってしまうのです。しかしながら、日本政策金融公庫の創業融資は、プロパー融資(=信用保証協会の保証なしで行われる融資)なので、いざという時のために信用保証協会の保証枠を温存できるのは大きな強みといえるでしょう。

民間銀行から創業融資を受けるメリット

民間銀行の創業融資には「利息や信用保証料を地方自治体に補助してもらえる(制度融資の場合)」「銀行との間で借入・返済の実績ができ、信用が高まる」という2つのメリットがあります。

民間銀行から創業融資を受ける場合は、一般的に制度融資を利用して行われます。制度融資は地方自治体・金融機関・信用保証組合が連携して提供する融資のことで、会社が信用保証協会に支払う信用保証料や、銀行に支払う利息の全部または一部を、地方自治体に補助してもらうことができます。制度融資は信用保証協会からの保証を受けることで信用力が補完されるので、創業したばかりで実績の少ない方が融資を受けられるように審査ハードル低いのが特徴です。

また、据置期間が設定されており、借り入れに対する利子の支払いは発生しますが、元本の支払いをしなくてもよい期間が設けられています。元本の支払いを先延ばしにできるため、利益がすぐに入ってこない事業などの場合は手元資金を取り崩す必要がないというメリットもあります。

次に、融資を受けた銀行との間で借入・返済の実績ができ、信用が高まるというメリットについて解説します。民間銀行から融資を受けて返済を続けていくと銀行からの信用が高まります。このため、民間銀行で創業融資を受けておくと、何かあった時に追加融資を受けたいと思った際にとても有利になるでしょう。中小企業の経営には継続的な銀行融資が不可欠なので、この点は民間銀行から創業融資を受ける大きな強みの一つであるといえます。

 

創業融資を申し込む際は民間銀行だけでなく、日本政策金融公庫にもあわせて申し込むようにしましょう。どちらにもメリットがあり、融資を受けることができれば事業を円滑に進めることができます。もし、日本政策金融公庫と民間銀行の両方から創業融資を受けることができるようになった場合は、記事を参考にして両方から融資を受けるか、またはどちらか一方からの融資を受けるかを判断するとよいでしょう。

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